腸と穀物のコラム
腸とデトックスの関係
腸の健康には、善玉菌と悪玉菌が正常なバランスで存在することが必要です。
悪玉菌は腸内のたんぱく質をエネルギー源として増殖し、インドールやアンモニア、硫化水素など、人体にとって有害な物質を作り出します。
悪玉菌が優勢な状態が続けば、徐々に有害物質が体内に蓄積され、生活習慣病をはじめとするさまざまなトラブルを引き起こします。
それらを防ぐためには、定期的に有害物質を外に出す「デトックス」が必要です。
体内の有害物質は、全体の75パーセントが便として排出されます。
したがって、腸を健康な状態に保ち、便秘を予防することがデトックスにつながります。
穀物に含まれる食物繊維の量
腸内細菌のバランスはさまざまなものに影響を受けます。
食べ物や生活習慣の変化もそのひとつです。なかでも、食物繊維を含む食品は、善玉菌を増殖させ、便通を促す作用があるため、デトックス効果が期待できます。
食物繊維は、大麦や玄米などの穀物に豊富です。
なかでも大麦は、可食部100gに対して9.6g(水溶性6.0g、不溶性は3.6g)、精白米の20倍もの食物繊維が含まれており、効率的に食物繊維を摂取できます。
さらに、もち麦は13gもあり、10.9gが水溶性、2.1gが不溶性です。精白米の25倍もの食物繊維が含まれています。
大麦には「β-グルカン」という水溶性食物繊維が多く含まれています。
水に溶けるとゼリー状になり、糖質や脂質を包み込んで吸収を抑制し、緩やかにするはたらきがあります。
これによりダイエット効果や、セカンドミール効果が期待できます。
1日に必要な食物繊維は?
また、21世紀の主要食として注目されているキノアや、アマランサス、豆類など、雑穀には食物繊維が豊富に含まれているのです。
成人の場合、便通の改善には1日に20gの食物繊維が必要だと言われています。
「野菜や豆類を食べ続けるのは飽きがくる」という方もいるでしょう。
大麦や雑穀を取り入れ、バリエーションを増やせば、一日に必要な水溶性食物繊維を摂取することができます。
また、大麦の摂取量が減少すると、大腸がんや糖尿病という現代病のリスクが増えるという報告もあります。
バランスよく大麦or雑穀を摂取していきましょう。